フィリピンで物資の支援を考えている人へ正しい方法教えます

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フィリピンの貧困地区への物資の支援

 フィリピンの貧困層の民衆を見て、ちょっとした100均で売っているような小物や少量の食料を配ってみたくなるひとは結構多いようです。ところが、それを個人で実行するのは大変危険です。今回は、個人でひっそりと長年発展途上国への支援(特に現在はフィリピンを対象にしている)をしてきた筆者が、どうしてそれが危険につながるのか、正しい方法論とはなにかを伝えたいと思います。

個人で物資を支援する場合に考えてほしいこと

古着などの支援物資を配るのはNG

 まず、安易に考えがちなのは、日本で古着を集めて配ったら喜ばれるのではないか。という間違った考え方です。でもちょっとまってください。そんなことはたくさんあるNPOやボランティアのグループがもっと組織的にやっていますよ。なにもあなたがあえてそんなことをする必要はありません。
 フィリピンでもご多分にもれずに、規模の比較的大きい支援物資としての古着は、民衆に配られることはなく、外国から送られてくるどこかの過程で搾取され、古着屋の商品として売られるケースがほとんどです。シャツを来ていないで上半身ハダカやボロボロのTシャツを来た子供を多く見ます。そのような光景を見て、古着を自分で末端の民衆に配りたいとか、学校で使うであろうノートや鉛筆を配りたいと思っている人も少なくないと思います。しかし、それをするのであれば、考えなければならないことがたくさんあります。

市民の感情も考えて

 筆者は、長年発展途上国での支援を個人としてやってきていますが、実行する場合は、現地の人間と綿密な打ち合わせと調査をしてから行っています。その中でよく耳にするのが、発展途上国の貧しい人間を下に見ないでほしいということです。誰が他人の着古したものを喜んで着るでしょうか。どんなに貧しい国でもプライドというものは存在します。飢餓や貧困は人をプライドも何もない状態にしますが、どんな国でも中産階級の人はいるもので、そういう人達から見れば、ちょっと小金を持っているからといって自己満足で支援などと称してくだらないものを持ってきやがって、自分が大きな顔をしたいだけだろうと思っている人が少なからずいるということです。みんながハッピーになれなければ、支援などする価値はないのです。

やっかいなフィリピン人彼女

 もう1つこの手のことでやっかいなのが、フィリピン人の彼女などです。たまに、「私の誕生日にはマックのバーガーかジョリビーのチキンセットを民衆に配りたい」などと言うバカ女がいます。おまえはドゥテルテの娘か!ダバオの市長か!と怒鳴ってやりたくなりますが、単純に古着や100均の小物を配りたい日本人と精神構造はほとんど同じです。だったらチキンと米を100人分買ってやるから、お前が料理して準備しろと言ってやってください。この手のバカ女は、支援と称してそんなものを個人で配ったらどういう結果を招くか考えもしていませんし、食品は傷むという当たり前の事実もその時点では全く考えていません。この手の考えなしの行動は、後述する理由で絶対にやらないほうが良いです。

どうしても配りたい場合

どうしてもTシャツなどを配りたい場合

 ストリートで服もなにも着ないでいる子供を見て胸が痛み、どうしてもこの子達に服を着せてあげたいと思った方。いい方法があります。フィリピンでは、実は、新品のTシャツは100ペソ以下で手に入ります。100ペソなんて出したら、めちゃくちゃ良い品質のものが手に入ります。筆者もダイブショップのスタッフTシャツは現地で調達していますが、これをダイビングに来てくれた人にお土産であげても惜しくないくらい安くて良いものが手に入ります。何度も洗っても大丈夫です。
 また、Tシャツの背中などにロゴをプリントして着ているフィリイン人が多いですが、そのなかには、その人の名前のようなものを胸元や袖にプリントしてあるシャツを着ているのをみたことがあるでしょうか。これはTシャツ自体の値段もさることながら、Tシャツに何かをプリントするのも、すごく安くできてしまうからです。しかし!外国人が来たとなると、その値段は跳ね上がってしまいますので、ご注意ください。一度でもあなたとフィリピン人の友達が一緒にいるところを店の人に見られたら、現地人価格にはなりませんので注意してください。これが、フィリピン人の協力者を見つけなければならない大きな理由の1つです。

どうしてもジョリビーなどを配りたい場合

 基本的にすぐに腐ってしまうような食料も支援してはいけませんが、ファーストフード店やレストランの食べ物を支援するのであれば、対象となる地域の最寄りの店に相談してみてください。実はこの方法は、地域の店の支援にもなりますので大変有効です。店に来てくれたお客に個別に食べ物を渡してもらうような交渉ができればベストです。フィリピンは暑くて湿度も高いので、食べ物がすぐにいたみます。食べ物を一日中山積みにしていたら、やばいことになることは想像に難しくないと思います。しかし、やりようによっては、店も支援対象者も両方がハッピーになれるのも事実ですので、検討する価値はあると思います。

単独で無計画な支援を実行してはいけない理由

良いことをしようとしただけなのに小規模な暴動に発展

 数年前のことですが、フィリピン人の彼女にそそのかされ、または何も調べもせずに良い格好したいがために、自分ひとりでたくさんの小物や食べ物ををレンタカーのバンに詰めこんで貧困地区へいきなり出向き、勝手に配り始めてみた日本人が大変なことになってしまった顛末をブログに書いているのを見ました。我先にと突進してきた群衆に物資を車から全部引き出され、挙句の果てには殴り合いの暴動が起きて、ショックを受け、その場から逃げるようにして去ったそうです。そんなもん、当たり前だよ、と。何考えてんだ、と。言ってやりたかったです。

貧困地区でなくたってダメな理由もある

 もう1つ、金銭や売ったら少しのお金になるものを支援する場合に絶対に知って置かなければならないことがあります。それは、フィリピンでは、あなたの想像以上に覚醒剤の使用者が多いということです。また、ギャンブル依存症の者も相当数います。あなたが、お金や金目のものを支援目的で、あなたが初めて会う大勢の現地人に渡す場合は、そのような悪事に使われることをあなた自身が防衛・阻止しなければなりません。支援をした結果、何が起きるのかをいい面だけでなく悪い面「ワースト・ケース・シナリオ」も十分に検討しなければなりません。
 正直な話し、貧しい発展途上国ほど純度の低い覚醒剤が安くカンタンに手に入ってしまします。その意味でフィリピンを含めて多くの発展途上国では隠れジャンキーがかなりたくさんいます。しかも純度が低いので、禁断症状は出るには出るものの、破壊的で強い禁断症状などは出にくいのだと現地の人に聞きました。効き目の強いタバコ感覚でやっているんだろうと・・・。
 ジャンキーを見分ける方法もいくつか教えてもらいました。よく言われたのは、ジャンキーは数分おきに顔を不自然にしかめる癖が出ることがあるそうです。そう聞いて周りをよーく観察してみたら、いるわいるわ。ほんとにそうなのか? と思って、数年前にそのように顔を頻繁にしかめる仕草をしている者をリストアップして地域で教会のボランティアや麻薬撲滅の運動をよくやっている人に聞いたところ。そのリストにのっている人間たちは、ローカルのフィリピン人の間でも隠れて集まって麻薬を常習している者として認識されていると言われ、怖くなってリストに乗っていた何人のかうちのダイブセンターでも使っていたダイブマスターを別の理由で解雇した経緯があります。なぜ警察に通報しないのかと聞いたところ、そもそも使っている麻薬が低品質だから、3日も隠れていれば尿検査で陰性になるので、タレこんだら仕返しされるから絶対やめとけと言われました。そして警官も地域ではジャンキーのご近所で友達だったりするので、気をつけろ、なるべく余計なことはするなと言われました。発展途上国の暗い部分を見た気がしました。

正しい支援のありかた

今すぐ実行したい人

 今すぐにでも支援を実行したいひと向けの一番正しい方法論は、現地で支援活動をしている日本人のNPOグループにコンタクトを取る方法です。彼らにお金だけ渡して支援を実行してもらうことも出来ますし、彼らと入念に打ち合わせをして、自分も現地に出向いて、一緒に支援活動をすることもできます。どちらのケースでも正しいと思います。そのために、どことは名指ししませんが、おかしな若造がYouTubeのアクセス数稼ぎのためだけにおざなりな対応しかしていないNPOもたまにありますから、複数のNPOグループにコンタクトを取り、実際に現地でどんな活動をしているのか、現地のフィリピン人にどう思われているのか、そしてこれが一番大事ですが、そのNPOの人間があなたとうまがあうか相性が良いかなどを調べる必要があります。日本人は、たまに自分が現地でたいへん敬われているというのを見せつけたいために、やたらと現地人にでかい声で挨拶して回る人がいますが、そういう場合は、現地のフィリピン人の顔をよく見ていてください。その人の前では大変フレンドリーに振る舞っているフィリピン人が、合間に苦笑いのような表情をした場合は、その日本人は信用しないほうが良いです。逆に、フィリピン人のほうから我先にと握手を求めてこられる人は多くの場合、ホンモノです。

時間はかかっても自分で支援を実行したい人

 NPOの力を借りずに、自分でどうしても支援を実行したいひと、友だちになったフィリピン人が住んでいる貧しい地区にピンポイントで支援をしたいひとはこのケースですが、まず、支援を考えている地域に住んでいるフィリピン人、もしくは政府(市なりバランガイ)にフィリピン人とともに赴いて、趣旨を説明して、協力を仰ぐのが一番理想的です。もしも、そこまでしたくない人は、とにかくまず自分の手足になって協力してくれるフィリピン人を探すことです。絶対に単独でやらないほうが良いです。ましてやサプライズ的に突然現地に出向いて実行するのは絶対にやめましょう。かならず、下調べと根回しをちゃんとやってから支援を実行してください。自分の右手になって協力すると言ってきたフィリピン人に詐欺られたらもともこもないので、十分に注意してください。多くの場合、水商売に従事していた自称「彼女」もしくは「妻」にそのような役割をさせないほうが良いと思いますよ(笑)。

文房具などを支援したいならまず学校に相談して

 子どもたちに文房具などを支援したい場合にしてほしいことは、まず支援をしたい対象の地域にある学校を訪れて、支援したい旨を伝え、学校がその申し入れを受け入れてくれるようであれば、実際に物資を子供に提供しているところに立ち会わせてもらうのが良いと思います。先生たちも、一個人が全校生徒に物資をあげるのが難しいことくらい理解していますので、自分の予算にあった人数の生徒を決めてくれます。
 また、同じように、地域の教会の神父に相談するという手もあります。こちらは、しょっちゅう支援を受け付けているので、学校にいくよりもスムーズに事が運びます。また、支援物資を実際に渡す場面にも参加させてくれます。

表彰状や感謝状にだまされるな

 外国の詐欺専門NPOによくあるのが、事務所に政府や市などからの感謝状や名誉警官の賞状などをたくさん飾っている輩がいますが、フィリピンではそんなものは金でいくらでも入手できます。そういうものに騙されないでください。結局よくやっている団体やグループは、フィリピン人のほうからやってきて敬意を評します

サプライズ支援などやってはいけない

何度も書いていますが、ともだちの誕生日会じゃないんですから、いきなり貧しい人が住んでいる現地で突然物を配りはじめるなどの行為はやめたほうが良いですよ。結局あなたが一番ショックをうける顛末になる可能性が十分にありますので。

個人で支援をする場合のベストプラクティス

対象者をしぼる

 まず、個人で支援を実行する場合に一番必要なことは、支援対象者のリストを作ることです。これをしないで不特定多数の現地人に支援をするのは、相当大変だと思います。ターゲットとなった支援対象者に親か妻がいないか調査します。もしもいるのであれば、対象者だけでなく、妻と両親にも支援の内容と実行する日を伝えてください。こうすることで、支援を受けたものが金を持ってそそくさと覚醒剤を買いに行ったりギャンブルをしたりということが抑制できます。
 リストには、対象者のフルネーム、通名、電話番号、今なら検疫パスの番号などの個人情報を一緒に記録します。こうすることで独りで何度も支援をもらおうとする者を抑止できます。

米などを支援する場合

 米などを支援する場合は、米問屋のオーナーと交渉して、対象者のリストを渡して、対象者が店に来たら米を渡すなどしてもらうと、手間が省けますが、店の人はむずかしい事はできないので、不安であれば受け渡しの期限を切って、その期間はあなたかあなたの支援者が米屋さんに居させてもらってもOKなようにします。そして、これも非常に重要なことですが、支援対象者の人数を増やす目的で、粗悪米を購入しないでください。都市部の米問屋でもプレミアム・グレードの米が50キロで1500ペソから2000ペソくらいで買えますので、安いからと言って粗悪米を仕入れるのはNGです。
 支援する米の量も考える必要があります。フィリピン人は米を多く食べる民族ですので、今回コロナで市やバランガイがやっている1家族に米5キロなどという支援は実は支援にはなりません。大家族なら大事に食べてもほんの数日でなくなってしまいます。家族構成や一緒に住んでいる人間の年齢などによっても米の消費量は変わってきます。筆者は同じ家に住んでいる人が10人以下なら1家族あたり25キロ、それ以上で50キロ支援するようにしています。50キロは普通のフィリピンの家庭がストックできる最大限度だと思います。経済的なこともあって、せいぜいポリバケツに米を入れておくくらいのことしかできませんし、放置期間が長いと虫がわきますし・・・。もしも25キロよりも多くの米を支援する場合、筆者は、赤い色の大きめの唐辛子を何本か米の袋かバケツのなかに入れておくように指導しています。日本ではおなじみの虫よけ対策ですが、意外とフィリピン人はそういうことを知りません。筆者が接したフィリピン人の奥さんたちは、虫が湧いたら米をとぐときに浮いてくるので、そこで研ぎ水といっしょに捨てればいいと思っているみたいです(汗)。

サプライズなど余計なことは考えない

 トラブルを避けるために、サプライズなどしないで、地道にしっかりと現地の人たちと連携しながら支援を実行してください。感謝されようとせず、見返りも期待しない態度が大切です。たまに、支援物資をはずかしがって受け取らない人もいますが、そういう場合は、あなた自身ではなく、あなたのスタッフに話してもらうようにすれば大抵の場合、心を開いてれます。あたはななにも邪な考えがあってやっているわけではないことも理解させる必要があります。

筆者も助言くらいならできます

 ここまでざっと思いつくままに書いてきましたが、フィリピン、特にセブのマクタン島周辺で支援を実行したい人がいれば、助言はいくらでもできますので、ご連絡ください。
 筆者は基本的に支援を慈善事業とは考えていません。またそんな事ができるほど資金に余裕はありません。ただただ自分が関わっている業種の小さな地域の仲間とその家族を微力ながら支援したいだけなので、誰でも閲覧できる状態のインターネットメディアに筆者の支援活動を公表したことは一度もありませんし、これからもするつもりはありません。あくまでもひっそりとやっていきます。たまに非公開のプライベートグループでストレスを発散することはありますが、大目に見てください(笑)。

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